抜毛症

抜毛症のための固形シャンプーを開発した話

これまでの私の活動の一つの集大成ともいえる、クラウドファンディングが始まりました。(2022/4/22〜5/29)

毎日SNSを更新したりあまりにやることが多くて、ブログの更新が一番最後になってしまった。

ごめんね、私のブログ。私はブロガーなのに!(インスタグラマーとかインフルエンサーとかはあんまりしっくり来なくて、ブロガーというカテゴリが好きよ。)

プロジェクトの内容はおいおいご紹介するとして、この記事ではどういう経緯でシャンプーを作ることになったのかについて話したいと思う。

 

ここ1年のGenaは・・・

正社員から派遣へ

21年の2月に仕事を辞めた。その理由はざっくりまとめると、会社員としての仕事がどうしても向いていなかったこと、私は他者との境界線が淡くて特に仕事の場ではそれがめちゃくちゃになってしまい、余計な仕事や感情やストレスを抱え込んでしまう状況がずっと続いていたからでもある。

正直しがみつこうと思えば続けることはできたと思う。でも抜毛症が本当に悪化してしまい、この状態を我慢してまで、自分の髪と精神衛生と引き換えにしてまでも守るべき価値のある仕事なのかどうかわからなくなった。

ある日、会社のトイレの個室にある窓が自分の身体が通れそうなぐらい大きいことに気がついた。
それ以来、トイレに行くたびに意識的にその個室を選ぶようになって、窓の下を眺めるようになった。

それでもう辞めようと思った。私は私のことを大事にしたい。
自分にとってもっと良い環境、働き方を探したほうがよいという結論を出した。

 

アルバイトよりも時給がいいという理由で派遣で仕事を探し始めたら、日本の厳しい現実が身にしみてわかった。

待遇(給与や労働時間)は決して良いとは言えないのに正社員並の仕事を求められたり、安定した生活ができないぐらい短期だったり、この仕事内容でこの給料!?とびっくりするぐらい不釣り合いだったり。
少しでもマシな条件を探して血眼になって検索した。

低賃金、低保障。貧困の一歩手前。
長期的に見て自分の人生にとっては前向きな理由で仕事を辞めたはずだったけど、自分が下るべきではない坂をよく考えもせずに下る選択をした、不安のあまりそんなふうに感じた日々だった。

私は私とうまく付き合っていきたい。抜毛症にも向かい合いたい。
そのための時間がほしい。その間のつなぎの仕事が必要だった。

なんともラッキーなことに条件の合う仕事が決まり、時短の派遣社員として働き始めたのが21年の3月。

外資系だったからコロナ対策も柔軟で、ほぼリモートで働くことになった。前職では常にクライアントフロントにいて責任重大だったのに、今回はどちらかといえば裏方業務で、職場の人たちも落ち着いた人が多く、自分をすり減らすことなく働けた。

もちろん収入は思い切り下がったけれど、0よりはマシ。ありがたいことだった。

マルチなワラジに足をつっこんで

派遣社員として体力と気力をセーブしながら働く傍ら、私は新しいことを並行して始めた。

・ボディポジティブモデル
  └抜毛症とボディポジティブを結びつけ、世に発信すること
・NPO法人ASPJへの加入
  └理事になり、抜毛症に関するあまりのデータの少なさから実態調査を0から行うことになった
・固形シャンプーの開発

派遣の合間を縫ってこれらを全部同時進行で進めていた。

二足のワラジどころか、三足も四足も履いて走り回っていた。

まじでクソほど忙しくって、結果として正社員のときよりもよほどよく動いていたのだけれど、結局どれも頑張ることができた。だって自分の課題に直結していることだから。

抜毛症のボディポジティブモデルとして活動を始めたところ、取材以来やコラボ撮影やあげくの果てにはなんとコラムの連載までいただき、0から始めた1年間の成果としてはハナマルなんじゃない?💮

会社員よりよほどこちらのほうが向いていたとも言える。

ASPJでの調査は無事に集計まで終わり、日本初であろう当事者調査の貴重なデータを集められた。
やっぱり自分だけじゃないって数字を見て確信を得られたことは大きい。

そして最後のシャンプー。

 

これまでの活動を詰め込んだ固形シャンプー

マルチに活動しているように見えて、それぞれは私の頭の中ではしっかりつながっていて。

ブログやSNSで発信したり取材していただく中で、自分なりのセルフケア、自分を大事にする方法、生きづらいと感じるこの日本社会でどうやって呼吸をするかなどのセオリーが言葉にしてまとまってきた。

それが届いた方々からDMを頂いたりすることもあり、なんというか手応えをのようなものを得るようになった。
そしてNPOでの調査で根拠となる数値も出た。

これを活かして私が作りたかったのが固形シャンプーだった。

 

「どんなにたくさん病気をしている人でも抜毛症が一番辛い」と聞いたことがある。
とても良くわかる。どこかが痛いとか何かができなくなるとかじゃなくて、身体は健康なのに自分の手だけが言うことを聞かない。

抜毛症は罪悪感と自己嫌悪との戦い。慢性化すると希死念慮もすり寄ってくる。

身体的にも精神的にも悪循環を繰り返していて、そこから完全に脱出することは(少なくとも私にとっては)とても難しい。蟻地獄みたいなの、ほんと。

 

ボディポジティブやセルフケアやセルフラブをいくら説いたところで、それらを心から信じることができなければそれらは抜毛症と戦う武器にはならない。傷ついた心を癒やす薬にはならない。

自分のメッセージを、カタチあるものにしたいと思った。

それが全ての始まり。

クラファンについて

結果としてとても満足のいくクオリティのシャンプーを作ることができた。

これは主に小ロットでの開発を快諾してくださり、丁寧なコミュニケーションをとってくださったOEMの会社のおかげ。

◇弱酸性の優しい洗い心地
◆環境にも優しいプラスチックフリー
◇固形タイプなので泡立てながら頭皮のマッサージもできる
◆フローラルスパイシーな香り

こんなシャンプーに仕上がった。
(もちろん抜毛症の方だけでなく、どなたでもお使いいただけます。)

全部の説明はぜひクラファンサイトを読んでもらいたい。
https://camp-fire.jp/projects/view/579005#

このブログで私があとひとついいたいのは、クラファンの形式について。

クラウドファンディングでは2つの形式がある。

All in方式 (集まった金額はすべて企画者に届く。約束したリターンの実行が義務。)
All or Nothing方式 (金額を達成した場合のみ企画者の届く。未達の場合支援金は支援者に返金され、リターンは発生しない)

一人で悩みまくった結果、All or nothingにすることにした。

その一番の理由は、自己満足・自己実現のためにシャンプーを生産する資金を集めたいわけではないから。

今回のリターンには本商品が含まれている。というか私的には先行販売のつもり。
抜毛症や深いコンプレックスを抱える人に届き、使ってみたいと思って貰わないと意味がないと思ったの。
お金だけ集めて、生産してみて、蓋を開けてみたらぜんぜん売れませんでした、それならやる必要はないと思った。

 

これまでの活動を総括した集大成のプロジェクトとも言える。
それをクラファンという方法で行うということは自分の活動に時価をつけるようなものだし、
それをAll or Nothing形式にするというのはなかなかの博打よね。

勝算が100%あるわけではないの。

もし達成しなかったらって考えちゃう。
私にだってプライドはある。抜毛症を公表し顔を出して個人で活動してきて、それで目標額に届かなかったため実現できなかった、となったら。情けない。支援してくれた人たちに申し訳ない。

でも。
心の奥では誰よりも私が、自分の活動の価値を信じている。
共鳴してくれる人が確実にいる。あとはその人たちに届けるだけ。

 

2022/04/30 00:58
ちょっぴりナーバスだけどしっかり自分の世界に立ってるGena

 

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